「骨盤がゆがむ」はウソ？
「骨盤矯正」に対する認識のギャップ
今日は患者さんだけでなく、施術者、医療関係者の方も興味のあるだろうテーマ、
「産後の骨盤は本当にゆがむのか？」
についてお話ししていきたいと思います。
（中には難しい用語もありますができるだけわかりやすく説明していくつもりです）
検索エンジンで骨盤矯正について検索していると、
「骨盤はゆがまない」
といった趣旨の記事や書き込みをよく見かけます。
おそらくお医者さんを始めとした医療関係者の方の書き込みもあるかと思います。
ですが、いくらお医者さんに「骨盤はゆがんだりしない！」
と力説されても、
産後のお母さんの中には
「骨盤がグラグラする」
「骨盤がずれている感じがする」
「おしりが大きくなった」
などなど、産後の骨盤の違和感を感じている方が確実に存在します。
症状があるのに、「そんなはずは無い！」と言われても、困っちゃいますよね。
ではなぜ、医学的にはゆがまないはずの骨盤がゆがんでいると感じる方が多いのでしょうか。
私が患者さんとお話ししていて改めて実感したのは、
「医学的な用語としての骨盤」と
「患者さんの言う骨盤」とに微妙なズレがある
ということです。
結論から申しますと、
患者さんが骨盤として認識しているのは
大転子であることが多いです。
（大転子って？という方はこちらを参照してください。→産後ベルトの効果的な使い方）
妊娠中はお腹が重くなるため腰が反りやすく（腰椎の前弯が強まり）、
そのバランスの悪さを支えようと股関節の内旋（膝が内側に向いている状態）
が強くなり大転子が横に張り出します。
また産後は、筋力の低下によりおしりを締めづらくなるため
やはり股関節の内旋を修正できずに大転子が目立つ位置にきてしまいます。
この状態には内転筋（内ももの筋肉）の柔軟性・筋力の無さも関係していますし、
もともとO脚の方はとくにこの傾向（大転子が張り出す）があります。
これを「おしりが大きくなった」「骨盤が広がった」と感じる患者さんが多くいらっしゃいます。
なので、（少なくとも私がしている）骨盤矯正では
この股関節の内旋を改善するような施術・姿勢指導をしていきます。
少し話が脱線しますが、
「膝が内側に向いている」とお話しすると
「でもわたし、内股じゃなくてがに股ですよ」とおっしゃる方が多いのですが、
「歩くときにつま先が外に向いてる」ということを言いたいのだと思います。
ですが、たとえつま先が外に向いていても、膝はどうでしょうか。
おそらく８割くらいの方が、歩くとき・立つときに膝が内側を向いているでしょう。
ようするに膝下が 歪んでるということです。
日本人女性は芸能人でも一般の方でも、ほとんどの方が膝下O脚です。
これについてはまた別の機会に書きたいと思っております。
書きました！
上で述べたような大転子だけでなく、坐骨や仙骨、骨盤上口などさまざまな
要素があるのですがひとまずまとめますと
骨盤矯正とは
「骨盤がゆがんでるから矯正しましょう！」
ではなく
「間違ったからだの使い方を矯正しましょう！」
ということなんですね。
「骨盤矯正ってなんか怪しい」と思っている方と
「産後の骨盤をなんとかしたい！」と思っている方の溝を少しでも埋められたなら幸いです。
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